Googleは情報を徴収して分配するんだよ。世界国家目指してるそうじゃない。

[fladdict.net blog: 地主制度2.0追記の1 WEB2.0というゲームには隠しルールがあって、それが隠蔽されたまま進行している]
http://fladdict.heteml.jp/blog/2006/04/20web20.html


おととい気取ってトラバしてみた記事に追記がなされてたよ。今日は時間もあるし、ゆっくり書き連ねてみたいな。以下、引用中の太字は僕が勝手につけたもの。


ただ、トラバ先のエントリは、そんなに人気記事にはならない予感がするなぁ。なぜかというと、自己批判的な視点が弱いような印象を受けたからです。web2.0潮流に反抗したいという執着を持たれているような感じ?前回に比べ、刺激的な指摘に富んではいないように見える。追記の1つめということだから、思索を小出しにされてるのかもね。

エントリがグーグル=悪みたいな文脈で認識されてるけど、それはちょっと違う感じデス。

思いっきりそういうふうに認識してた。

僕はGoogleを悪だとは思っていないし、地主制度も、支配階級も、搾取構造も全然否定しない。というか組織であれ個人であれ、能力と手札とチャンスが均等でない限り、上から下に連なる不平等のレイアウトが生まれるのは、当たり前だと思っている。むしろ、能力と手札とチャンスがマチマチなのに、結果が平等な世界のほうが歪だと思う。

僕も同意するな。誠実な考え方だと思うもの。

僕が気持ち悪いと思ってるのは、WEB2.0というのが下から上に吸い上げられる強烈な搾取構造を根底に持っていながらも、「これこそ僕らが待っていたインターネットのあるべき姿!!」といった、あたかもユートピア思想的な文脈で語られている、その齟齬だ。

現在起こっている現象を搾取ととらえれば、その前提においては気持ち悪さを感じるのは自然だと思う。

胴元かそこ近い場所から発表されたゲームのルールが、実際のゲーム進行とはまったく違っている感じが超キモイ。

ゲームのルールというのは、web2.0の概念の提唱の話のことなのかなぁ?胴元というのはGoogleたちのことだと思うけど、そこから近い場所から発表されたのかな?・・・僕は知識が少ないから正しいのかどうかわからないや。しかも、調べるのがめんどうくさい。人類最大にして最強の敵には勝てない。ごめんなさい。

隠蔽されてるルールが何かというと、「吸い上げられているのは金銭だけではない」ということだと。

隠蔽かどうかはわかんないけど、確かにそういう特性は持ってるよね。

従来の搾取構造では政府であれ、インテルであれ、マイクロソフトであれ徴収の対象となっているのは基本的に金銭だった。

政府は、昔は米とか羊毛とかでも徴収してたんじゃないかな。

一方で、WEB2.0というゲームでは「ついでにデータも徴収しますよ」といルールが小さい文字でこっそり追加されている。

そもそもルールなんてないし、ごまかしも無いんじゃないかな。いま一般人にこんな概念を説明したところで、インテリやweb2.0界隈のひと以外が理解できるとは思えないんだ。

そういう行為が許されるようになったことが最大のパラダイムのシフトのはずなのに、そこが完全にスルーされいる。

一般的には認識されてないですね。たしかに。

マッシュアップだとか表装の部分だけがフィーチャーされているように思える。で、そのユートピアンなWEB2.0が喧伝される裏で、このゲーム主要プレイヤー達は、全然別のプレイスタイルでこのゲームの展開を行っているのではないかと。

これは個々のプレイヤー各々の「本質を見抜く力」の問題だと思うな。時代の潮流の本質を見抜く力の有無は、昔から変わらない普遍的な差異なんじゃない?

おそらく既にGoogleの内部とかには全データを片っ端からニューラルネットにブチコンでなにやら学習させているプロジェクトとかが存在するのではないだろうか?

たぶん、気持ち悪さを覚えてしまうような形では実践していないと思う。Googleは、バレたときに責められるような行為をするほどバカじゃないと思う。・・・僕らレベルには認識できない、非常に高いレベルのメタ認識をしているんじゃないかな。理想もちすぎかな?

このあと、これからの世界を「マトリックス的」と表現しながら、

Googleがキモイとか、搾取構造が悪いとかいうのではなくて、核心が隠蔽されたまま進行される不自然なゲーム展開がキモイ。

という先日のエントリに対する反論トラバにツッコミを入れて、このあとweb2.0の遊び方を提案するよ、と告知されて「つづく」としてあった。


やっとこさ僕の意見を書くんだけど、結論から言えば、タイトルと見出しに書いたとおり。梅田さんがweb進化論で書いてた*1ようなこと、つまり

「世界政府っていうものが仮にあるとして、そこで開発しなければならないはずのシステムは全部グーグルで作ろう。それがグーグル開発陣のミッションなんだよね」

とグーグル社員が(たぶん本心から)語る、という現状の意義を考えてみようよ、ってこと。


世界政府って概念はたぶん、通信によって情報がリアルタイムに全世界的にやりとりされた結果生じる、(観念的ではあるけども)距離の概念が薄まった世界をまとめる役目なんだと思う。こいつが果たすべき義務っていうのは何かって予想すると、「情報」の形の変化によってもたらされて成立する政府なんだから、「情報」を管理して皆が生活しやすいように調整することなんじゃないかな。


だから、Googleを利己的で独裁的な企業だと見なすのはひとつの視点に過ぎないと考えているんだ。Googleを情報に関する政府のようなものだととらえると、現在起こっている出来事を違う側面から観察することができると思う。また、自分がその潮流の中でどんな動きをするのか、その立ち位置や判断基準も定められるように思う。


・・・企業国家?本格的にSFじみてきたなぁ。Windows3.1に感動した時代には戻れそうもないね。

*1:web進化論P14~P15